室長のご挨拶 | 東京工業大学 教育・国際連携本部


室長のご挨拶

教育推進室の取り組み

「教育推進室」は平成15年5月15日に設置されました。その設置目的は「本学の教育に関する理念及び将来構想を提言するとともに、教育に関する改革・改善の施策の策定及び推進、教育環境の整備、教育交流・連携の推進並びに教育に係る諸問題への対処等の教育支援業務を統括することにより、本学における教育の効果的かつ円滑な推進に資することを目的とする。」となっています。つまり、簡単に言えば、学部・大学院での教育をよりよいものにするための企画・立案と、学生の入学、進学、卒業・修了に関する具体的事項の審議等を行うことを目的としていることになります。いずれにしても、最も大事なことは本学が輩出すべき人材像を明確にして議論する必要があるということです。このことについては長年にわたり関係する委員会・部会等で議論されてきましたが、基本的には「優れた知的体力/人間力を備え、高度の理工系の学力を修養した人材」という人材像が浮かび上がってくるように考えます。学士、修士、博士のそれぞれについて示すと以下のようになります。

学士 修士 博士
学力 幅広い理工系基礎学力をしっかりと修養し、さらに特定の分野に高い関心を有する人材 理工系基礎学力に裏打ちされた、特定の分野の高度な専門学力(問題解決能力)を修養した人材 特定の分野の極めて高度な専門学力(問題探求能力)、科学技術全般にわたる広い学識を修養した人材
素養 コミュニケーション力、幅広い教養(芸術や人文社会系等に対する理解力)、科学技術倫理の理解力。(知的体力/人間力) 優れたコミュニケーション力、学界および産業界においてのリーダーシップ力 確固たる国際的リーダーシップ力
コース ジェネラリスト スペッシャリスト
ジェネラリスト
スペッシャリスト
ジェネラリスト

ここでは、修士は学士としての学力と素養に加えてさらにその上の学力と素養を、博士は修士としての学力と素養に加えてさらにその上の学力と素養を修養する必要があることは言うまでもありません。この輩出すべき人材像についてはご賛同をいただけると思いますが、必要であればさらなる検討を加える所存です。このような人材を輩出していこうとするとき、さまざまな乗り越えなければならない問題があります。考えられる問題点としては、学部教育にあっては(1)学科所属の適正な年次、(2)卒論の位置付けと内容、(3)修士入学試験に耐えうる専門学力、大学院教育にあっては(1)スクーリングと研究のバランス、(2)大学の研究にとっての修士論文のウエイト等が考えられます。さらに、このような人材を育成するためにはどのような学生を入学試験で選抜するか、特に学部入学試験の方法と内容は重要な問題になります。多様な人材を受け入れる一貫として、平成17年度から附属工業高校からの特別選抜入試を実施することになりましたが、今後はさらなる手段を講じる必要があると思います。

このように、本学の目的に対応した教育を行う企画・立案を行うにあたって忘れてならないことがあります。それは教育の変革は、教育を行う教員が十分に理解・納得した上でなければ成就しないこと、言い換えれば「トップダウン」よりは「ボトムアップ」に重点を置かなければならないことです。したがって学内において十分に議論することが不可欠です。

国立大学法人となった本学が大学間競争に勝ち抜いていくためには乗り越えなければならない障壁が教育関係にも沢山有りそうです。これらの障壁を避けることなく、真正面から果敢に取り組んで乗り越えていくことに喜びを感じるように、粛々と歩を進める必要があります。