創造性育成科目概要

東京工業大学における創造性教育について

本学は明治14年の建学以来実学を重視した教育を行ってきています。さらに戦後まもなく「くさび型教育」と呼ぶ全人教育のプログラム、すなわち低学年から最先端の専門分野に触れつつ、高学年にも人文社会科学を履修する独自の教育体制を実践してきました。この教養教育システムは高く評価されていますが、時代の変遷とともに学生の多様化が進み、ものつくりの楽しさを体験することなく入学する学生が多く見られるようになってきました。そこで、学習の動機付けの観点から昭和56年にものつくりの楽しさを体験させるための科目として「制御工学設計製図」(元祖ロボコン)が設置されました。この新しいスタイルの授業は学生が能動的・発見的に学習する方法として優れた効果が認められましたことから、それ以降、学内の各学科においてさまざまな創造性育成科目が実施されることとなりました。今では、本学だけでなく日本の多くの大学でこのスタイルの授業科目が実施されています。
本学では、創造性教育を以下の3段階で進めることを考えており、このように連続的に創造性を高めていく教育を本学では「スパイラルアップ教育」と呼んでいます。

  1. ものづくりや問題の解決のために工夫することが面白いと感じ、自らに潜在的創造能力が備わっていることに気付き、自信をつける
  2. コンテストなどを通じて具体的な課題に対する自らのアイデアや工夫をブラッシュアップし、科学技術者としての資質を高める
  3. 卒業研究のような抽象的な課題について、そこにおける問題点を発見し、解決のためのアプローチ方法を考案し、問題解決に取り組む

これを本学の特徴である「くさび型教育」に組み込むことにより、「創造性育成科目、専門科目、文系科目の3本柱に加えて、実験・実習をバランスよく組み合わせることでスパイラルアップを図り、より人間力、創造力の豊かな研究者、技術者を育成する」ことを目指しています。さらにこれに学生の自主的な課外活動を奨励することにより、より創造力の豊かな技術者と育つことを期待しています。
教育・国際連携本部(旧教育推進室)では、平成16年度より、学部・大学院の創造性育成科目の認定及び選定を行ってきましたが、平成20年度からはこれを少し修正し、各学科や専攻等が創造性育成科目を登録し、それらを教育・国際連携本部(旧教育推進室)のホームページ上で公表することとしました。
本学はこれからも、創造性教育の更なる発展に努めます。
※教育推進室は平成29年度より教育・国際連携本部に変わりました。

理事・副学長

理事・副学長 挨拶
東京工業大学理事・副学長(教育・国際担当)水本 哲弥

本学は、1881年の建学以来、実学を重視した教育を行ってきています。さらに、戦後まもなく「くさび型教育」と呼ぶ全人教育のプログラム、すなわち低学年から最先端の専門分野に触れつつ、高学年にも人文社会科学を履修する独自の教育体制を実践してきました。本学では、この「くさび型教育」に、ものつくりを基本とする実学教育や創造性を育む実験・実習教育、国際性を涵養する教育を組み込んでおり、さらに、学生の自主的な課外活動を奨励することによって、創造力の豊かな研究者・技術者を育成することを目指しています。
本学では、2004年度より、学部・大学院の創造性育成科目の認定及び選定の制度を導入しており、推奨年次ごとにさまざまな工夫をこらした創造性を育成する教育が展開されています。創造性育成科目では、学生は与えられた又は自分達で設定したテーマに挑戦し、それまでに学んだことを基に独創的な創作活動を展開したり、グループワークやディスカッションを通してチームワークやコミュニケーション力を高めるとともに、プレゼンテーションやコンテスト形式の発表会等を通して、積極性や主体性や課題解決力を身に付けていきます。さらに、2012年度からは、毎年度、創造性育成科目事例発表会を開催しており、創造性育成科目の事例発表を担当教員だけでなく学生が主体となって行っています。
本学では、今後もこのような創造性教育の発展に努めていきます。

ものつくり教育研究支援センター センター長

自分の考え、アイディアを形にする、
そんな面白さが「ものつくり」にはあります。
ものつくり教育研究支援センター センター長山田 明

これまでは、講義にしても実験・実習にしても、課題は与えられるものであり、それをどのように解くかの方法を学修したかと思います。しかし社会の中では、課題も明確ではない、解き方も不明、あるいはそもそも解答があるかも分からない問題が多数あります。答えが見つからないため最適解で満足しなければならない、そもそも何を評価軸にして最適と呼ぶか、評価の軸そのものを自分で設定しなくてはいけない、そんな複雑な問題もあります。このような問題設定、課題解決の方法を最初に学ぶ入り口は卒業研究になります。
卒業研究では課題は自分で探すもの、設定するものになり、それに対して自らの考えでアプローチすることになります。これに必要となるのが学部での講義の知識、知の活用です。また、問題によっては一人で解決することが困難で、多くの人とのグループワークが必要になることがあります。この時には、自分の考え・アイディアを相手に伝える能力、コミュニケーション能力が必要になります。難しいことを書きましたが学部あるいは大学院で開講されている創造性育成科目は、“もの”を創る過程を通して、課題の発見、設定、解決の方法を主体的・能動的に学ぶ科目です。純粋に「ものつくり」の楽しさを学んでください。

創造性育成科目とは? 主体的な学修ってなに?

創造性育成科目とは、学生が能動的・発見的に学修する機会を設け、
新しいものや技術、アイディアを生み出すための創造力を育むことを目的
とした科目です。

伝統のくさび型教育 創造性教育!!

本学では、2016年4月からの教育改革により、学士課程から修士課程、修士課程から博士後期課程の教育カリキュラムが継ぎ目なく学修しやすいものになりました。このような一貫教育の中で、低学年から高度な専門研究に触れ、また学士・修士・博士後期のそれぞれの課程において、継続的に教養科目を履修することができる「くさび型教育」を実施し、この「くさび型教育」に創造性教育などを組み込むことで、体系的な教育課程がつくられています。この創造性教育に関し、本学で導入しているのが「創造性育成科目」で、学生の発想力や創造力を育て、学生が主体的に学修に取り組む授業を行っています。

ナンバリンググラフ

※ナンバリング
各授業科目は、学修の段階や順序等を表し、教育課程の体系性を明示するため科目コードを付すこと(ナンバリング)を行っています。(学士課程100~300番台、修士課程400~500番台、博士後期課程600番台)

主体的な学修って??

4コマ漫画

シラバスで詳しく解説!!

例えば、毎回の授業前に、シラバスの『授業計画』や『課題』などを参考に予習・復習をして、より主体的に学修に取り組もう!

授業計画・課題
  授業計画 課題
第1回 静電界(静電界の性質、電極配置と電界、数値解法)回路の数値計算法 教科書第1章精読、LTspiceを使った過渡回路解析
第2回 高電界における誘電体の性質(気体の絶縁破壊) 教科書2.1の精読
第3回 高電界における誘電体の性質(気体、液体の絶縁破壊) 教科書2.1、2.2の精読と絶縁破壊過程の計算
第4回 高電界における誘電体の性質(固体、複合誘電体の絶縁破壊) 教科書2.3、2.4の精読、ボイド内電界計算
学びの7か条

自ら学び続ける力を身につけるために

1いろいろな教員と積極的に接する 2学生間の協力関係を築く
3自立的に学習する 4学習の進捗を常に把握する
5授業外の学習を計画的に行う 6高い志をもって行動する
7それぞれの個性と様々な学びを大切にする  

イラスト